女形ヘンゲ

 これぞこころの解放の極致です。大きな目を開けて、口を大きく開いてみるだけ。たまには、曲に合わせ、踊りに合わせ、鼻歌で。1日の疲れがあってもどこかに吹っ飛びます。


初めて大衆演劇を見る老人会の面々、空いた口が塞がっていない。涙を流して感動される方も多い。人生観も変わり、もう少し生きて応援してみようとおっしゃる方も多い。

 猿之助の女形には、三人の女性が出てくると言われる。腰つき、足運び、表情、眼力、愛嬌、色気、究極には、顔の大きさ、身体付きさえ異なって見える時がある。三人の女性のうち、今誰が表に出ているのかを短時間で調べることも楽しみの一つになっている。舞踊の途中で男性の語りが入ると即座に男性の顔に反応できる何れかの女性となる。不思議だ、というより、能力だろう。練習して習得できるものなのか知りたい。

 大衆演劇界でも唯一無二、品の高い劇団であることに間違いはない。見るもののこころを引きつけて止まない不思議な魅力がある。気ついて見れば、思わず大きな声を出し応援している自分がいる。